現場レポート 亀田が行く!

2008/08/12
006●「むかし遊び」

 けん玉、あやとり、お手玉、メンコ、すもうなど「むかし遊び」と呼ばれる遊戯を授業に取り入れている小学校がある。また地域のシニアボランティアが放課後教えに来る小学校もある。日本の伝統を継承しないと、ゲームやテレビばかりではなく、みんなで遊ぼう。そんな意識があるのだろう。
 しかしこれらの「むかし遊び」が、実は基礎学力向上の切り札なのだと言うことは余り知られていない。 
 けん玉やお手玉は眼球運動能力を向上させる。あやとりは、回内/回外運動能力の向上。すもうは中間に保持力と筋力の向上。これらの能力は、授業中に集中する、じっとしているために必要不可欠な能力。そういう能力が「むかし遊び」に親しむことで自然に身に付く。
 昔は地域で家庭で、当たり前のように行われていた「むかし遊び」。そして子ども達の色々な能力は、自然と向上していた。それが今は無い。だから小学校で面倒を見なくてはいけなくなったのだ。
 基礎学力を向上させるために授業時間を増やす、授業の工夫をする。しかし子ども達は授業に飽きてしまう、理解しない。それは学力を身につける土台が出来上がっていないからだろう。
 そんな視点から「むかし遊び」に取り組んでいる学校がある。これは広がっていくといいなあ。

2008/08/12
005●「将来のメジャーリーガー」

個人的に野球が好きなので、訪問先した学校の校庭で、野球部が活動をしているとつい見てしまう。
 ある小学校で寒い中野球をやっている少年達がいた。ユニフォームを着ている生徒もいるし、ジャージ姿の生徒もいる。その中で一人周りと比べて明らかに背の高い生徒がいた。守備になるとピッチャーで、気持ちよさそうに球を投げる。柔らかいフォームで、見とれてしまうぐらい流れるようなフォームで投げる。
 横にいた先生が、たまたま野球部の顧問だった。「彼ねえ、なかなか凄いですよ。6年生です。うちのエースです。県外の野球の強い学校からも誘いが来ています。中高一貫校で甲子園を狙うような学校ですよ。バッティングも凄いですよ。」
 確かにさもありなん。彼の投げる球にみんな空振りしている。時間があれば打席に立った彼も見たかった。
 「将来が楽しみですね。」
「ええ、ほんとにそうなんです。将来はアメリカで活躍するかも知れませんよ。」
 それはあながち冗談ではないだろう。数年後、何処かの高校が甲子園に出場した時、また彼を見ることが出来るかも知れない。
 しっかりと、その生徒の名前を覚えた。

2008/07/15
004●「暇と忙」

「ここはね、観光でもっている町なんですよね。」 その先生が 言った。
「だから、土日はかき入れ時なんですよ。」
 そうだろう。土産物屋、ホテル、旅館、民宿、飲み屋も食べ物屋も、県外から来る観光客で生計を立てている。
 「でね、夏休みが一番忙しいんですよね。 だから、子供のことを構っていられない。これだけ自然があって、良いところなんだけどねえ。」
 都会の休みが、この町では繁盛期。

「本当はね、親が暇なときに、学校が休みだったら、いいんだけど。でもそうは行かないじゃないですか・・・・親と子供の会話が減ってしまいますよねぇ。」
 
 日本全国一律に、夏休みがあって、冬休みがある。でも、それでいいのだろうか? 先生の話を聞きながら、そう感じた。 休みの時期を地域の事情に合わせて、ずらすことが出来たら、いいのになあ と。(亀田武嗣)

2008/07/15
003●学校の独自性

「教育バウチャー制度」、「学校自由選択制」と民間企業の競争原理を教育現場に導入する議論が花盛りだ。そうなると個々の学校は生き残りのために他校との差別化を目指すことになる。
「我が校は、理数系の学力向上に力を入れます」、「英語教育の充実をします」、「心の教育を強化します」。いろいろな特色を打ち出して差別化を図ろうとしている。

 訪問先の校長先生に言われた。
「でもね、注意しなくてはいけないのは、『特色』が目的化してしまうことなんですよ。
『特色』はあくまでも方法なんです。英語教育を充実すると言っても、それはあくまでも手法なんですよね。
『子供にとって何が良いことなのか?』を考えるのが一番大切じゃないですか。それをはき違えたらとんでもないことになりますよ。」

 学校は、先生でも父兄でもなく、生徒が主人公なんだと言うことを肝に銘じておかないと。
(亀田武嗣)

2008/04/29
●002「南の小さな小学校」

 渡し船に乗って行く小さな島。そんな島にも小学校はある。波止場から坂を上っていくと、校舎が見える。櫻の時期には、学校周辺の櫻の木が満開となり、校舎で花見が出来る。校庭の端には、山羊が二匹ノンビリと歩いている。その校庭の先を下っていくと、綺麗なプライベートビーチがある。生徒数10名ちょっとの小学校。ここでは幼稚園を学校内に併設している。スモックを着た園児と小学生が一つの校舎の中で勉強している。休み時間、給食の時間、小学生の間に園児がウロチョロ、ほほえましい風景。
 現在各地で話題の小中一貫校では、中学一年生が学校内ではお兄さんお姉さんになれる。小学校低学年の子供には、中学一年生でも見上げるようなお兄さんお姉さんなのだ。
 小さな島の小学校では、小学一年生でも立派なお兄さんお姉さんになれる。小さな園児の手を引いて面倒を見る。ちょっと背伸びをして、お兄さんお姉さんになる。優しい子供達がそこには溢れていた。
(亀田武嗣)

2008/04/23
●001「学校と地域ボランティア」

 「開かれた学校」、「地域との交流」、これらの言葉も各地の学校で話題になっている。先生達だけでは時間的に限界があり出来ないこと、金銭的に専門家に頼めないこと、そのような事を、地域のボランティアの協力を得て行っていく。そんな動きが増えてきている。メディアでも色々な取り組みが取り上げられている。「学校と社会の繋がりの重要性」は地域ボランティアだけでなく、NPO,企業と学校との関わり合いも含まれている。
 その一方で、地域ボランティア活動が上手く機能しない例も出て来ている。厳しい言い方になってしまうが、先生達が社会(地域ボランティア、NPO,企業)との関係をうまく築けない事が原因となることが多い。教育現場へ他の「人種」が介入してくることに対する違和感。それは教育のプロを自任する先生達のプライドでもあるのだろうが。
 まだまだ始まったばかりの動きなので、先生達も経験が無く、初めての事が多いから仕方の無い部分もある。
 少なくとも地域ボランティアの好意を、素直に受け入れ感謝する事から初めてもらいたい。
(亀田武嗣)

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